ごあいさつ
皆様、こんにちは。
当法人のホームページをご覧いただきありがとうございます。
25歳の時、学習塾で講師をしていた私は、一人の少女(当時小学6年生・発達障がいADHD)と出会いました。
お母さんから「先生、すぐ来て下さい。」との電話で、家に駆けつけると、その少女は首に包丁をあて「私は、死ぬんよ!」と言いながら立っていました。食卓の茶碗や皿は床へばら撒かれ、お母さんとおばあちゃんは泣きじゃくり、お父さんは背中を丸めて隅っこの方で黙っていました。
なんとか包丁を取り上げた私は、少女と二人で部屋へ行き、事情を聞くと「お父さんと喧嘩して、お父さんを殴ってしまった。だから、私は死ぬしかない。」と。どう対応していいかわからない私は「大丈夫。大丈夫。」と言いながら、その少女を抱きしめて一緒に泣くことしかできませんでした。二人で壊れた茶碗を片付けながら、「この先、この子はどうやって生きていくのだろう。こういう子ども達が生きていける場所を作らなければ…。」と思ったのが、当法人を設立するきっかけとなりました。
あれから、10年、色んな子ども達との出会いがありました。
ある少女から「先生、私ね、今、ソープランドにおるんよ。先生には、内緒にしたくなかったから…。お客さんが来たから電話切るね。」この時、自分の無力さと絶望感を感じました。
ある少女は、毎日毎日「死にたい」といい「リストカットしたよ。」と…。私は、彼女に、首や手首を切っていても「大丈夫、死なんかってよかったね。」と伝え、彼女から見守る強さを教えてもらいました。
介護職の資格をとり就職した子。お母さんを助けたいとバイトを始めた子。毎日死にたいと言っていた子が初給料で「先生、お金に困っとるじゃろうけえ、仕送りするね。」と…
躁鬱病や摂食障がい、不眠症を抱え、たくさんの薬をもって入所してきた子は、1年経った今、一切薬を飲むことなく、将来自分と同じような子ども達を救える人になりたいといい、活き活きとバイトをしています。
この子どもたちは、みんな、今は立派に社会の中で生きています。
彼女たちは全員、過去、「虐待」を経験しています。
今もどこかで虐待をされ、心に傷を背負っている子どもたちはたくさんいます。幼いながらも想像を絶する人生を生きている子どもたちはたくさんいます。ただ、その子どもたちも、これからの長い人生を自分の足で生きていかないといけないのも事実です。いつかどこかで、自分自身と向き合って、心に受けた傷は「経験なんだ」と思えるようになってほしい。
人は誰かのせいにすれば、一瞬は楽に感じます。でも、それ以上それ以下でもない。過去の自分を活かしながら、前を向いて生きていくしかないのです。
悲しみを経験した子どもたちは、人を想う気持ちが人一倍強いです。子ども達の『負』へ向いていた心の振り子が『正』に変わると、すごいパワーを発揮します。そのパワーを活かし、社会に役立つ子どもを育てていこうと思います。
当法人の自立援助ホームは、国・自治体から補助金をいただいて運営をさせていただきます。この補助金は皆様の税金です。
ですから、皆様の力をお借りして、「子ども達を納税者に育てる。」…これが、一番のご恩返しだと思っています。
この豊かな日本社会で、なぜこのような子どもたちが存在するのか。
大人が、夜中、コンビニの前にいる子どもたちに「早く帰れよ。」と言える世の中であれば、もし、自分以外の誰かのことを誰もが思えて行動に移せる世の中であれば、誰もが当たり前の生活を当たり前にできる世の中であれば、本来、私たちの事業は必要ないと思います。
私は、「子ども達に救われている。」、いつもそう思うのです。
私は、与えて頂いた人生をどう生きていくか。自分の命を何に使うか。考えるきっかけをくれたのは子ども達です。共に生活し、喜怒哀楽の毎日の中で、子どもたちに「生き方」を教わっているように思います。
私たちスタッフが子どもたちにできることは、「私たちが前を向いて生きていく姿をみせていくことしかない」と思っています。
「自分自身が一生懸命に生きること」この活動を通じで、そのきっかけ作りになればと切に願っております。
今後とも宜しくお願い致します。
平成23年1月22日
特定非営利活動法人イーハート
代表理事 
清水理恵(しみずりえ)プロフィール
1975年広島県尾道市生まれ
6歳の時、母の再婚を機に兄と広島市へ。
アル中の父の母や兄へ対する暴力を身近に感じる生活、母の言葉に自分の存在価値を見失い小5の時に初めての自殺を試みる。
私立中学へ入学後、兄の死をきっかけに3年生の夏頃から夜遊びや万引きが始まりエスカレーター式の高校へ入るが素行はひどくなり、薬物、異性交遊などを繰り返す。
高校で無期停学になった時、担任の「必ず更正させる」の一言で人生初めて「裏切ったらいけない人」と出会い、道を修正し始める。
短期大学へ進み幼稚園教諭・保育士の資格取得。
その後、すぐ結婚するが、23歳離れた夫の多額の借金が発覚し生活苦に。妊娠中も水商売・保険セールス・パートなどで生計を立てる。
4人の男子に恵まれるものの、10年で離婚。
9年前勤めていた学習塾でADHDのある不登校の女の子との出会いから、自分自身のそれまでの人生を振返り、ココロに悩みを抱える子ども達に興味をもち関わり始める。
平成20年2月22日にNPO法人イーハートを立ち上げ、「子ども達を貢献力のある人材に育てる」「親子で自立できる環境つくり」をテーマに、様々な活動を繰り広げている。